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広大地評価の改正で相続税が大きく変わる!「広大地」改正をすっきり解説

静かに、大きな改正が迫っています。

平成29年度税制改正の中で、専門家が特に注目しているのが「広大地」の評価の見直しです。

適用の仕方で「数千万円」あるいは「数億円」の違いが生じるこの規定は、税務の知識と経験が大きく問われるところです。

今回は、この広大地の改正前後の違いと影響についてお伝えします。

① 広大地の評価とは

広大地とは、読んで字のごとく「広くて大きい土地」のことです。
基本的には1,000㎡以上(三大都市圏では500㎡以上。)の土地を言います。

このような大きな土地が、

・開発行為をするとしたら、公共公益的施設用地の負担が必要になる
・大規模工場用地、集合住宅に適した土地でないこと

の要件を見たすと「広大地」と呼ばれます。

これらの条件をもう少し分かりやすく言うと、下図のように、「その土地を一戸建てで分譲しようとしたら、道路を入れないといけないような広い土地」です。

開発により道路など潰れ地が発生するため、「その部分を考慮して土地の評価額を下げましょう」という趣旨です。  


広大地の要件に該当すると、その土地は次のような算式で評価します。

評価額 = 正面路線価 × 広大地補正率 × 地積  

広大地補正率は、土地の面積により変わるのですが、1,000㎡で0.55、3,000㎡で0.45などとなっていて、通常の土地よりも40%~65%も評価額が少なくなる仕組みになっています。

仮に路線価50万円、広さ1,000平米の土地の場合、

通常の土地:50万円×1,000㎡=5億円
広 大 地:50万円×0.55×1,000㎡=2億7,500万円

となり、広大地に該当するだけで大きく評価額が下がることになります。
評価が下がれば、当然、相続税も少なくなります。


② 改正の内容

今回の改正により、広大地の規定は平成29年12月31日までで廃止されます。
代わって、平成30年からは「地積規模の大きな宅地」という規定が新設されます。
地積規模の大きな宅地とは、次の要件を満たす土地で、該当する場合には土地の評価額に「規模格差補正率」を乗じて評価を行うこととなっています。

・1,000㎡以上(三大都市圏では500㎡以上)
・市街化調整区域・工業専用地域に所在しないこと
・容積率が400%未満(東京23区では300%未満)
・普通住宅地区、普通商業併用住宅地区に所在すること

規模格差補正率により減額補正されますが、広大地のような大きな減額にはならないことがほとんどです。

従って、この改正により、これまで広大地に該当していた土地では評価額が大幅に上昇する可能性があります。

逆に、これまで広大地に該当しなかった(例えばマンション適地と判定された)土地については、評価額が下がる可能性もあります。

評価額や規定の適用は土地によって異なりますので、一概に「増税」「減税」と決めつけず、専門家に確認しましょう。

③ 平成29年中に取るべき対策とは

この改正は平成30年1月1日から施行されます。
したがって、平成29年中の相続・贈与であれば広大地の規定が利用できることになります。

該当する土地をお持ちの方は、

・改正前後でどの程度影響があるのかを確認する
・相続時精算課税による生前贈与を検討する

などを行ったほうが良いでしょう。

ただ、注意しなければいけないことは、相続時精算課税制度や生前贈与にはデメリットもあるということです。
具体的に検討する際は、専門家にご相談されることをオススメします。

正直な話、税制改正は、すべての方が正確に情報をキャッチできていないのが現状です。
また、ご自身に関係のある改正かどうかの判断や、関係があった場合の対応も一律ではありません。

ですから、ご自身である程度まで情報を収集できた段階で、専門家のアドバイスを受けることが一番と言えます。

当窓口でも、パートナー税理士による、税務相談や税制改正に関するアドバイスをご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

私たちのサービスが、お役に立ちますように。

※当記事は平成29年8月1日現在の法令及び改正情報等を元に執筆しています。

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