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相続と時効の関係について知っておくべきこと


相続と時効という二つの言葉には、実は大切な関係性があります。

時効と聞くと、テレビドラマなどで「時効」が成立した場合に、罪を犯した犯人が責任を追及されなくなるイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

時効とは、法律で、一定の事実状態が一定期間継続した場合に、真実の権利関係に合致するかどうかを問わずに、その事実状態を尊重して権利の取得・喪失という法律効果を認める制度を言います。

特に民事上では、大きく分けて二つの時効制度があります。

1つは、「消滅時効」と言い、例え権利がある人でも一定の期間が経過すると、その権利を主張することが出来なくなるというものです。

もう1つは、「取得時効」と言い、一定の期間ある物(不動産など)を占有すると、その物に対する権利を取得することが出来るというものです。

消滅時効

相続において、特に気を付けたいことは、上記のうちの1つ目の「消滅時効」です。
消滅時効が関係する、重要な権利は以下のものがあります。

1.相続回復請求権

相続人が複数いる場合において、特定の相続人が不動産も預貯金も独り占めし、分けてくれない場合、その他の相続人は、独り占めをしている相続人に対して相続回復請求権を行使することができ、相続人としての権利を主張することができます。

この権利は、相続人としての権利を侵害された事実を知った時から「5年間」行使しないと時効によって消滅してしまいます。

2.遺留分減殺請求権

遺留分は、別の記事で詳しく説明をしていますが、簡単に言ってしまえば、相続人(兄弟姉妹を除く)になった方に認められている「相続分の最低保証」です。

この遺留分は、主張することで財産を一定の割合に従って相続をすることができるのですが、この権利も相続が開始し、遺留分を侵害する遺贈や贈与があったことを知ってから1年以内に行使をしないと時効消滅します。

3.相続放棄を撤回する権利

相続放棄についても、別の記事で詳しく説明をしていますが、簡単に言ってしまえば、亡くなった方のマイナスの財産(借金)が多い場合に「初めから相続人ではなかった」という効果が生じる制度です。

通常、相続放棄は相続を開始した時から3か月以内にしなければなりません。そして、通常は誤って相続放棄をしたとしても撤回はできません。

例外的に、だまされて相続放棄をさせられた場合は、撤回が認められていますが、この撤回の権利は、だまされていたことが判明してから6ヵ月間行使しないときは、時効によって消滅してしまいます。

また判明しなかった場合であっても、相続放棄の時から10年を経過したときに、時効消滅してしまいます。

4.認知の訴え

亡くなられた方に「隠し子」がいて、その子が生前に認知をしてもらえなかった場合、死後3年間は認知の訴えを提起することができます。

つまり、相続が開始してから3年間は、新たに相続人が出現する可能性もあるということです。

ただし、遺産分割協議が完了してしまっている場合は、認知を認められた子については、金銭の支払い請求のみが認められています。(遺産分割のやり直しにはなりません)

取得時効

そして、冒頭にあげたもう一つの時効である「取得時効」についても説明しておきましょう。

取得時効とは、簡単に言ってしまえば、他人の物を自分のものだと信じて長く占有している場合に、一定の期間を超えると本当に自分のものにできてしまうという制度です。

例えば、ある財産について、実際は他人のものであるにもかかわらず、亡くなった方の遺産だと信じて相続をしていたとします。

この場合、真の所有者から返還を請求された場合に、相続をしてから10年間を経過していれば、取得時効の主張ができます。つまり自分のものになるということです。

ちなみにこの権利は、亡くなった方との通算で期間が判断されますので、仮にある不動産について、相続から1年間しか経過していなかったとしても、亡くなった方が9年間占有していた場合、取得時効を主張できてしまいます。(※亡くなった方が自分のものではないと知っていた場合は、合計20年の期間が必要です。)

これまでにお話をしたとおり、「相続」と「時効」は、実はかなり重要なポイントで関係をしています。

相続放棄や相続税申告などの期限も大切ですが、それとは別に時の経過によって消滅してしまう権利があります。

もし、ご不安や思い当たる節がある場合は、少しでも早く専門家に相談することをおススメします。

当窓口でも、相続放棄などの手続きはもちろん、時効に関する法律相談についても対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

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