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遺産分割協議でもめてしまった場合、弁護士に依頼をした方が良い?

遺産の分け方について相続人の間で折り合いがつかない場合、遺産分割調停という手続で解決する方法があるということは、以前の「家庭裁判所で行う遺産分割調停ってどんなもの?遺産分割調停の流れとその効果」という記事で説明しました。

家庭裁判所で行う遺産分割調停ってどんなもの? 遺産分割調停の流れとその効果

では、いつ、どのような場合に、「遺産の分け方について弁護士に依頼をした方が良い」と判断すれば良いのでしょうか?

今回は、「いつ」と「どのような場合」に焦点をあててご説明します。

※紛争性がない場合の相続手続きについては、司法書士に依頼をすることでほとんどのケースの対応ができますが「紛争性がある場合」は弁護士のみが対応できます。

1 「いつ」

被相続人(=亡くなられた方)が逝去されてから10か月が経過すると、被相続人の相続税の申告期限が到来します。

相続税の申告にあたっては、法定相続人の間でどのように遺産を分けるのかを前提に相続税の申告をすることになりますので、遺産をどのように分けるのかは、それまでには話し合って決めておきたいところです。

ですから、弁護士に相続問題の処理を依頼するかどうかについては、相続税の申告期限ころまでに、相続人同士での話し合いがまとまるかどうか、を基準とするのが一般的です。

これは、相続税が発生しない方の相続についても同じような基準(10か月)で判断されるとよいと思います。

なお、相続税の申告期限までに遺産の分け方についての話がまとまらない場合、いったん法定相続分に応じて相続税の申告を行い、その後、遺産の分割協議がまとまった段階で、相続人がそれぞれ取得した財産に応じて相続税の修正申告等を行うことになります。

したがって、「相続の開始から概ね半年経過後くらい」までに遺産の分け方についてもめてしまって話がまとまらない場合は、弁護士に依頼するのが良いでしょう。

なお、相続税の申告期限ぎりぎりになってしまうと、税理士による相続税の申告が間に合わないということも考えられますので、このあたりも注意しましょう。

2 「どのような場合」

相続税の申告期限が来るまでの間、どうやっても話し合いがまとまりそうにない場合があります。

それは、特定の遺産(例えば自宅の不動産など)について、相続人が互いにその遺産を相続したいという主張を譲らない場合です。

このようなケースでは、相続人の間でいくら時間をかけて話し合っても、互いに「その遺産を相続したい」と言って譲らないわけですから、やみくもに時間だけが過ぎてしまい、さらには解決の糸口が見えないことで感情的な対立が激化してしまう可能性があります。

そういった場合には、早めに見切りをつけて、各相続人が弁護士を立て、代理人同士による交渉に移すか、あるいは遺産分割調停の手続きを利用して、裁判官及び調停委員の仲裁のもとで話し合いを進めるべきといえるでしょう。

したがって「遺産の分け方について法定相続人同士で話し合っても解決できないような意見の対立がある場合」には、弁護士に依頼するのが良いでしょう。

3 弁護士は、法定相続人それぞれが個別に付けるべきか

弁護士は、依頼者の意見や考えを前提に代理人として行動しますが、依頼者が複数名いる場合、その依頼者同士で意見の対立が生じてしまうと、複数の依頼者の代理人として行動することができなくなり、さらにそのうちの一人の代理人としても行動できなくなってしまいます。

例えば、兄弟3名(A・B・C)の遺産分割協議において、ある弁護士が、そのうちAとBの2名から代理人として依頼を受け、Cの代理人との間で交渉等の業務を行っていたとしましょう。

ところが、依頼者であるAとBが仲たがいをしてしまう、あるいは遺産の分け方についての意見が異なるようになってしまう、というケースがあります。

このような場合、AとBから依頼を受けていた弁護士は、A・Bのいずれの代理人としても業務を行うことができなくなり、辞任する他なくなってしまいますので、AとBは、その時点から、それぞれ別の弁護士に相談・依頼しなければならず、時間的にも経済的にも大きな負担が生じてしまいます。

複数の依頼者間において、「絶対に意見が異ならない」と断言できるのであればこのような問題は起こりませんが、当初はそのように考えていても、相続についての話し合いが進むにつれて、次第に考え方にずれが生じてくるということはよくあります。

したがって、面倒や負担に感じることが多い場合であっても、法定相続人それぞれが、個別に異なる弁護士を付けておいた方が安心です。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

遺産分割でもめないよう、遺言をはじめとした様々な制度や予防方法が設けられている一方、様々な事情で遺産分割協議による紛争が生じてしまうことがあります。

そういった場合は、今回の内容を参考に弁護士に依頼をすると良いでしょう。

当窓口では、遺産分割でもめないためのアドバイスやご提案はもちろん、遺産分割等の業務に特化したパートナー弁護士も在籍しております。

遺産分割協議でもめてしまいそうな場合や、もめている場合のご相談にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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その最初の一歩が、今後の安心やトラブルの早期解決につながります。

私たちのサービスが、お役に立ちますように。

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