相続で不動産を取得した場合、通常、不動産を取得した方に名義変更をする手続きをします。

この手続きを、一般的に『相続登記』と言い、相続登記をすることで、トラブルの予防やリスク対策になります。

さて、その相続登記をするに当たって、「費用はいくらかかるの?」といったお問い合わせを多くいただきます。

早速、相続登記をするためにかかる費用について、確認をしていきましょう

不動産を相続する場合(相続登記)にかかる費用

◆ 相続登記に必要な証明書の取得費用

相続が発生して、法律で定められた割合または遺産分割協議の内容に従って、相続登記をする場合、一般的に法務局へ以下の書類を提出する必要があります。

下記のうち、5の遺産分割協議書以外は、区役所等で証明書を発行してもらう必要があるため、その証明書の発行費用が掛かります。

また、専門家に証明書を代行取得の依頼をする場合は、その報酬もかかります。

※印鑑証明書については、専門家による代行取得が認められていませんので、ご注意ください。

1.亡くなられた方の出生から死亡までの除籍、改製原戸籍
2.相続人の方全員の戸籍謄本
3.亡くなられた方の住民票の除票
4.不動産を取得する相続人の方の住民票
5.遺産分割協議書(遺産分割協議をした場合)+相続人の方全員の印鑑証明書
6.相続する不動産の最新の固定資産評価証明書
※ その他、ケースによって上記以外の書類が必要な場合もございます。

◆ 登録免許税

不動産の相続登記をする場合、「登録免許税」という税金がかかります。
登録免許税の金額は、以下の算式で計算します。

相続する不動産の固定資産評価額(①)×【1000分の4】=(②) 
※①は1000円以下を切り捨て、②は100円以下を切り捨てます。
※計算の結果が1000円以下の場合は、すべて1000円になります。

例1:1500万円の土地と500万円の建物を相続した場合
2000万円 × 【1000分の4】 = 8万円

例2:2億円の土地と1億円の建物を相続した場合
3億円 × 【1000分の4】 = 120万円


◆ 司法書士費用

相続登記の代理を依頼する場合、司法書士へ支払う報酬がかかります。

司法書士の報酬は、法律や規則などで決まっていませんので、事務所ごとに、報酬体系やサービスの提供方法が異なります。

また、ご相談の内容やご希望のスケジュールなどによって、金額が増減することもあります。

多くの事務所では、無料で見積りをしてもらえるので、ご依頼を検討されている場合は、事前に問い合わせてみると良いでしょう。 

◆ 固定資産税など

不動産を相続した場合、相続された方は、相続発生時から不動産を取得した取扱いになります。

よって不動産を取得された方は、相続の開始日から、固定資産税などの不動産にかかる税金を負担することになります。

なお、「不動産を相続したのですが、不動産取得税がかかりますか?」と言うお問い合わせをよくいただきますが、相続によって不動産取得税がかかることはございません。

【補足】
相続する財産の合計額が、一定の金額を超えた場合に「相続税」がかかることはあります。

不動産を取得後に売却する場合は、不動産の譲渡所得税がかかります。
※こちらについては、税理士による税金シミュレーションが必要です。

以上が、一般的に相続で不動産を取得する場合にかかる費用です。

ご自身ですべての手続きをする場合を除き、具体的な費用をお知りになりたい方は、専門家にお見積りいただくのが一番かと思います。

「戸籍関係は自分で集めるので、それ以外の対応をお願いしたい。」など、ご希望されるサポート内容に応じて費用を案内してもらえると思います。

当窓口でも、無料でお見積りをするサービスを提供しておりますので、宜しければご利用ください。

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建物を解体した場合に行う「建物滅失登記」のご相談は、当窓口にも多く寄せられます。

「建物滅失登記」については、

「建物を相続したのですが、老朽化が激しいです。解体して新しく建物を建てたいのですが「建物滅失登記」はどうすればできますか?」

といったご相談や

「古い建物とその敷地を相続して売却することになったのですが、その前提として建物の解体と「建物滅失登記」を求められました。どう対応したら良いですか?」

といったご相談など、相続のご相談と同時にお問い合わせいただくケースが多いです。

今回は、この「建物滅失登記」について、大切なポイントを押さえながら説明を致します。

まず 最初に、そもそも「建物滅失登記」がどういったものかを確認しておきましょう。

 

建物滅失登記とは

建物滅失登記とは、建物を解体した場合や、焼失等によって無くなってしまった場合に、国に登録している「その建物の登記簿を閉鎖する」手続きです。(登記簿を抹消するようなイメージです。)

建物滅失登記をしない限り、現実には建物が存在していない状況でも、登記簿上には建物が残り続けることになります。(そういった建物のことを幽霊物件と言ったりもします。)

登記簿に残ったままであることを失念していると、敷地を売却をする場合や金融機関から融資を受ける場合などに、急いで建物滅失登記をしなければいけないケースもあります。

ちなみに、建物滅失登記は、法律上、「建物を解体してから1か月以内に登記をする義務」があり、それに違反した場合は過料(罰金)が科せられると規定されています。

ただ、実際には、登記をしなかったことで過料が科せられたというケースは聞いたことがありません。(おそらく過料を科したケースは無いのでしょう。)

とはいえ、前述のとおり、急遽手続きをしなければいけないことになるケースもあります。

ですから、建物を相続して解体した場合などは、すみやかに「建物滅失登記」をすることをおススメします。

 

「建物滅失登記」のポイント

では、実際に「建物滅失登記」をするために抑えておくべきポイントを確認しておきましょう。

 

ポイント① 必要書類のチェック

建物滅失登記には、以下の書類が必要になります。

登記簿の内容や申請者によって必要な書類は異なりますので、ご不安な方は、土地家屋調査士にご相談をされるのが良いと思います。

1.解体工事業者の解体証明書又は滅失証明書

※証明書には工事業者の実印が押印されている必要あります。

通常一緒に渡される2の印鑑証明書と印影が同じか確認しましょう。

 

2.解体工事業者の印鑑証明書

※有効期間はありません。

 

3.所有者の住所が登記簿上の住所から変更している場合は、そのつながりを証明する住民票または戸籍の附票

※建物の所有者の登記簿上の住所が、現在の住所と異なる場合に必要です。

 

4.所有者が亡くなられている場合は、その方の除籍謄本と相続人の戸籍謄本

※相続した建物の滅失登記を相続人から申請する場合に必要です。

 

ポイント②  手続きの期間と費用

①の必要書類がそろった段階で、登記申請書を作成すれば、建物滅失登記を法務局に申請することができます。

建物滅失登記は、その建物を管轄する法務局に申請をします。

それ以外の法務局に申請をしても受け付けてもらえないので、気を付けましょう。

また、ご自身で登記を申請することも可能ですが、お時間がない方や緊急の場合は、土地家屋調査士に依頼をすることも検討しましょう。

当窓口にも、経験豊富な土地家屋調査士が在籍しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

手続に要する期間ですが、法務局に登記を申請してから、通常、1週間から10日程度で完了します。

なお、法務局によって処理のスピードが違いますので、正確な処理時間をお知りになりたい場合は、登記の申請時に法務局に確認しましょう。

次に費用ですが、ご自身でやる場合は、実費(交通費等)以外に掛かる費用はありません。

ご自身でやる時間がないなどの事情により、土地家屋調査士に依頼をした場合は、5万円程度の費用がかるケースが一般的です。

当窓口のパートナー土地家屋調査士の場合も、9割以上の案件を、5万円程度の報酬で対応しております。

 

ポイント③ 相続した建物の滅失登記は、相続人の1人から申請できます。

相続した建物が解体された場合において、「相続登記をしない限り建物滅失登記ができないのでは?」というご相談を良くお受けします。

結論から言えば、建物について相続登記は必要ありません

解体がなされた建物の滅失登記は、相続登記を経ることなく、相続人から直接申請できます。

しかも、相続人が複数いる場合であっても、1人からの申請が可能です。

つまり、遠方に離れている相続人がいる場合や、連絡が取れない相続人がいる場合でも建物滅失登記はできるということです。

 

解体前のポイントもチェック

最後に一つだけ、建物滅失登記の前提となる「解体」にあたって注意すべきポイントを、確認しておきましょう。

それは、建物の登記簿に「金融機関などの抵当権」が設定されている場合です。

この場合は、建物の解体にあたって金融機関などへ事前の報告をした方が良いでしょう。

建物が解体されてしまうと、建物に設定された抵当権は、法律上消滅してしまいます。

法律上はそれでよいのかも知れませんが、金融機関との契約内容によっては、解体前に報告する義務が課せられている場合もあります。

契約違反による余計なトラブルを生じさせない為にも、解体前の事前連絡は必ず行いましょう。

 

いかがでしたでしょうか。

建物滅失登記について、基本的なことはご理解いただけたのではないでしょうか。

相続の発生後に限らず、建物滅失登記のことで一度相談をしてみたいとお考えの方は、当窓口にいつでもお問い合わせください。

当窓口には、パートナー土地家屋調査士をはじめ、不動産に関する様々な専門家が在籍しておりますので、ご相談の内容とご希望に合わせて柔軟に対応させていただきます。

 

私たちのサービスが、お役に立ちますように。


亡くなった方が不動産を所有していた場合、通常は、その不動産は「相続財産(遺産)」となるため、相続人全員または特定の相続人が相続することになります。

不動産を所有している方の大部分は、法務局に備え付けてある「登記簿謄本(登記事項証明書)」に所有者として名前が記録(登記)されています。
ですから、不動産を所有していた人が亡くなって、その不動産を相続する人が決まった場合、法務局で名義変更の登記をすることができます。

これを一般的に「相続登記」と言います。

意外かもしれませんが、この相続登記は「義務」ではありません。
そして手続きの「期限」もありません。

また、不動産の評価額にもよりますが、相続登記には「登録免許税」という税金がかかりますし、司法書士などの専門家に手続きの代行を依頼すると、その費用も掛かかってしまいます。

これだけを聞くと、相続人の全員の話し合いで誰が相続するかを決めていれば、わざわざお金をかけて相続登記をする必要が無いようにも思えます。

しかし、そうとは言い切れません。

相続登記は義務ではありませんが、費用をかけてでも早めにしておいた方が良い理由がいくつかあります。

不動産の名義変更(相続登記)をした方が良い「3つの」理由

1.今の段階では「まとまっている話」が白紙になる可能性がある。

相続財産となった不動産は、遺言がない場合、法律で定められた「法定相続分」または相続人全員による「遺産分割協議」に従って相続する人が決まります。

実際には、法定相続分ではなく、相続人全員での話合い(遺産分割協議)を行い、特定の方が単独で相続するケースが非常に多いです。

この遺産分割協議ですが、いくら口頭や暗黙の了解で話がまとまっていたとしても、その内容を証明する「遺産分割協議書」を作っておかないと、後日、協議の内容を実現できなくなる可能性があります。

例えば、相続人の一人が「遺産分割協議書」を作る前に亡くなってしまった場合、手続きのために「遺産分割協議書」が必要になったとしても、亡くなった方を除いて作成することは認められていません。

この場合、亡くなった方の『相続人全員』の同意(実印での押印)が必要になってしまいます。

その相続人の方々が、当初の話し合いを理解し、協力してくれれば問題は生じないのですが、残念なことに、関係性が悪く同意をしてくれないことや、場合によっては金銭(ハンコ代)を要求されてしまうケースもあります。

また、協議が成立した当時は裕福であったため「何もいらないよ」と言っていた相続人が、その後、金銭的に困窮し「遺産分割協議書」を作っていないことを強みに、話をひっくり返してくるケースもあります。

一度は財産を相続できる状況であったとしても、その証明となる遺産分割協議書がなく、話を振出しに戻されてしまっては、どうすることもできません。

ちなみに、作成していた遺産分割協議書を紛失してしまった場合、協議書のコピーが残っていたとしても、法務局は名義変更の登記をしてくれません。

この場合、改めて遺産分割協議書を作成し直すことになります。

そして、作り直す際は、前に挙げたケースの様に、当時協議をした相続人の誰かが亡くなっていれば、その方の相続人全員の同意が必要になってしまいます。

2.売却するには、その前提として相続登記をする必要がある。

相続をした不動産が、亡くなられた方と共有していた自宅などの場合、ご自身の名義も入っているため、相続登記をしないまま放置してしまう方が多くいらっしゃいます。

しかし、いくらご自身の名義が入っていたとしても、売却することになった場合は、その前提として、必ず相続登記をしなければなりません。

当窓口へのご依頼においても、売却までに相続登記を終えなければいけないため、緊急で対応したケースがありました。

「売る予定はないから大丈夫!」と思っていても、その後のライフスタイルや生活環境の変化で、不動産を買い替えることや現金化したいと思うことがあるかもしれません。

相続登記することは、ご自身の不動産である証明になることはもちろん、将来のライフスタイルの変化にいつでも対応できる「財産の管理方法」とも言えます。

3.思わぬ差押えから財産が守れない可能性がある。

「相続人のうち●●が不動産を一人で相続する」という遺産分割協議が成立すると、その方は単独で不動産を相続できることになります。

しかし、この遺産分割協議で決まった内容は、例え遺産分割協議書を作成していたとしても、相続登記をしない限り「第三者(相続人以外)」に主張することができません。

例えば、相続人の中に多額の借金を抱えた人がいて返済が滞っている場合、お金を貸している債権者が、知らないうちに裁判所に手続きを申立て、「法定相続分」で相続登記を行い、借金のある相続人の持分を差押えてしまうことがあります。

登記は、第三者との関係では、原則「早い者勝ち」です。

ですから、こうなってしまうと、いくら借金のない相続人が単独で相続するという話がついていて「遺産分割協議書」が作成されていたとしても、差押えの登記を外してもらうことはできません。

以上のとおり、相続による不動産の名義変更(相続登記)は、ある程度費用は掛かってしまいますが、しないことで思わぬトラブルや過度な負担が生じることがあります。

大切な財産を上手に承継するためにも「相続登記」をしっかりして、ご自身の財産と権利をきちんと守ることをおススメします。

当窓口では、相続発生後の相続登記はもちろん、遺産分割協議のサポートや相続不動産の売却サポートなど幅広くサービスを提供しております。

「こんなこと聞いて良いのだろうか?」ということも、どうぞお気軽にご相談ください。

また、当窓口のサービスは、全国対応をしておりますので、どの地域からのご相談でもお受け致します。